Corcovado(コルコバード)
アントニオ・カルロス・ジョビン作の有名なボサノバ曲。
静かな夜、ギターを弾きながら、愛する人とコルコバードの丘と海を眺める幸せをかみしめる、という歌詞。
1980年3月23日夜、私は歌舞伎町新宿プラザ劇場下のカーニバルというライブハウスにいた。この夜はスーパー・トロンボーンというグループのレコード発売記念ライブだった。このグループはトロンボーン4人+4リズムという編成。
いわゆるFour Trombonesという演奏形態である。
このときの演奏をこっそりカセットレコーダで録音して参考にしながら、雰囲気だけでも真似しようと仲間を集めて練習したり、ライブ、セッションに参加したりしたものだった。
30年以上の月日が経過し、カーニバルはとっくの昔に無くなってしまい、いまだに下手だがトロンボーンを吹いている私がいる。
ある日、当時スーパートロンボーンのリードを吹いていた鍵和田道男さんがインターネット上で当時のアレンジの楽譜を販売されているのを見つけ、購入、30年前のライブの1曲を自ら再現することを決めた。あのときのテープも聴いてみた。
今回はJFAライブの数か月前に思い立ち、いきなりプログラムに乗せるのは気が引けるので、JFAリズム隊に協力を願い2ndステージ前の休憩時間でのサプライズ演奏となった。
私は休憩中に外した眼鏡をかけ忘れるアクシデントにより1コーラス目ほとんど暗譜となりボケをかましてしまったが、このアレンジの特徴であるバストロンボーン(清水達哉)のツッコミにより、以降何とか持ち直すことができた。
本来は、トロンボーン4人によるアドリブソロ回しが譜面上要求されていたが、今回は練習不足もあり、JFAのMCソロトロンボニスト(山口裕司)にアドリブソロをお任せした。
レコードでは今田勝さんが弾いていた華麗なソロを再現するかのようなピアノ(鷹野はるみ)も、私たちトロンボーンチームを盛り上げてくれた。
あれからもう30年も経ってしまった。でもまだチャンスがある限り、ビッグバンドだけでなく、いろいろな形態で音楽を楽しみ続けたい、と思う新宿1丁目サムデイの夜であった。
(大森)